ADHDの原因は?先天性or後天性?

そもそもADHD(注意欠如・多動性障害)の原因はいったい何なのか?
100人に3名とも10名に1名とも言われるADHD(注意欠如・多動性障害)ですが、最近では認知も広まってきていますよね。
これほどに多いADHDやADDですが、単なる忘れっぽい、飽きっぽい、落ち着きがない・・・って考えている方も多いのではないでしょうか。
そんなADHDですが、そもそも原因はいったい何なのでしょうか。
今回はそんなADHDの原因についてご紹介していこうと思います。
はっきりした原因は不明
いまの医療水準では、はっきりしたADHDの原因はわかっていません。
とはいっても、ある程度のところまではわかってきたのが現状です。
いまのところ、ADHDは先天性の脳機能障害という説が有力と考えられており、脳にある注意力、推論、判断、感情の抑制、短期記憶などを脳内で担当している前頭前野の部分が関係していると考えられています。
わかっているのはそこまでですが、ここで重要なのが「先天性」が有力ということなのです。
生まれてきた後の、外傷や病気によって引き起こさられたり、生活内でのストレスが原因として発症するという、いわゆる後天的なものではないという事なのです。
先天性の理由:ドーバミン系統の遺伝子の型に左右される
最新の研究によると、ADHDと関連性が高いと言われている神経伝達物質であるドーバミンの働きに関して、かなりの差があるという事がわかりました。
ADHDの人の多くは、ドーバミン受容体やドーバミン再取り込みの働きに影響を及ぼす遺伝子の型が、通常の人とは異なっているということです。
先天性の理由:海外の研究ではADHDの遺伝に関することが発表されました。
また、海外の研究結果としては以下のような事があるという発表がありました。
- 両親ともADHDの場合、子どもがADHDになる確率あがる(20~54%)
- 兄弟がADHDだった場合、他の兄弟もADHDである可能性が高い(25~35%)
- 一卵性双生児の場合はさらに高くなる(55-92%)
先天性が有力という理由に、血縁者に共通してみられることが多いという事が挙げられます。
このため、今現在では上記のように先天性で遺伝的な要素に様々な要因が加わり、症状を発現させるという説が最有力とされています。
なので、ADHDと診断された親が持つ感情の「しつけが出来ていなかった」「教育が出来ていなった」という考えは根本から間違っているのです。
しかし、一部では後天性だという意見も
ADHDの症状が先天性の脳機能障害だけで決まるわけでなく、その後の人生においての人間関係、生活環境など、後天的な要素が影響を与えているという考えもあるそうです。
とまぁ、ここまで書いておきながら筆者としてはどっちでも・・・という考えです。
先天性だろうが後天性だろうが病気には変わらないのですからね。
まずはしっかりとADHD/ADDの症状を知る事、そして対処をすることです。
前述のとおり、100人に3名とも10名に1名とも言われるADHD(注意欠如・多動性障害)ですから非常に身近な存在なのです。