情緒障害児短期治療施設

私が「発達障害」という言葉を初めて知ったのは、長男が小学校1年生に上がった頃でした。

生まれてからずっと、育てにくかった長男。幼稚園に通う頃から他のみんなとは違う何かを常に感じていました。
なぜうまくいかないのだろう?なぜこの子は先生の言う事を聞かないんだろう?なぜこの子は他の子がしている当たり前の事が出来ずこんなに手がかかるのだろう・・・

自分の育て方のせいかな?・・・いつもそう考えていたような気がします。

夫と教育方針も全く違い、義両親や義姉からは「あなたが甘いからよ」と言われることも。
厳しさが足りないのかな?と反省し、強く叱ったりしてみても全然響かない。届かないのです。

母親には分かるなんとなくの勘が、「この子はわざとこうしているわけでもなくて、何か他に問題があるような気がする・・・」そう訴えていました。
しかし、そう思いながらも、周囲からの意見と自分の感覚とのズレにやはり最後は(自分が間違っているからちゃんと育たないのかな)という考えに陥り、孤独と不安な子育ての日々でした。

幼稚園の園長先生に泣きながら相談をしたこともあります。「子どもはみんなそんなもんよ。お母さんが神経質になり過ぎずに・・・」という答え。
私を慰め安心させるつもりで発した言葉だったのでしょうが、その言葉もまた(自分のあり方が悪いのだ・・・)と自分を責める一因になりました。

無理矢理押し込めていた日々が続いていた頃、長男が小学校に入学しました。

頼りたい人、アドバイスをもらいたい存在、一緒に悩んで解決策を考えて欲しいパートナー。すべての人に、いつも責められている気持ちがしていました。

苦しい、辛い、不安だ、と思う気持ちを「いや、私のやり方ひとつで変わるはず。気のせいだ。頑張ろう。」

と無理矢理押し込めていた日々が続いていた頃、長男が小学校に入学しました。

入学式の日は朝から戦い。式に着るスーツのネクタイを絶対に締めたくないという長男。

その頃の私は、長男がこのような「こだわり」を言い始めると何を言っても何をしても決して彼の考えを曲げられない事を知っていました。
それでも「このままだとこの子はうまくやっていけない、きちんと指示に従える人間に育てねば!」と、今思うと間違った方向への使命感や義務感に苦しんでいた頃でした。

ネクタイを締める締めないの戦いの後は教室での担任の先生からのお話の場面での事件。
初めての教室で先生を前に緊張している子どもたち。

その中で一人友だちに話すようなフランクな口調で先生にずっと話しかけている長男・・・。

「じゃあみんなで挨拶の練習をしてみようか?」という先生の声に、可愛い声で「はーい!」と返事をする同級生。
その中で一人「いやだよ。なんで返事なんかしなくちゃいけないんだよ。だいたいさ・・・(云々)」。。。顔から火が出るほど恥ずかしく、情けなかったです・・・。

帰宅してからこっぴどく長男を叱りました。

そしてこんな晴れの日にいつものように怒っている自分が悲しくて、他の子のように「入学おめでとう!」と笑顔でお祝いできないのが情けなくて、泣きながら怒鳴りながら思いをぶつけている相手の長男の、理解していないのにとりあえず謝ってその場を逃れようと泣いている姿に悲しくて、入学式でまで悪目立ちして他のお母さんから奇異の目で見られた事への恥ずかしさにまた涙し・・・。

そこで夫に初めて「この子、何かおかしいよ」と伝えたのでした。

まだ「発達障害」という言葉にまでは至りませんでしたが、何か普通と違うと感じた初めての瞬間でした。

その後は診断を受け、アスペルガー症候群と不注意優勢のADHDという診断を受けました。

診断を受けた時は、ショックというよりも「育て方のせいじゃなかったんだ・・・」と初めて自分を肯定してもらった気がして、そういう意味で涙が出ました。

2005年生まれの長男の時代よりも、今は発達障害という言葉も認知され始め早期に発見してもらえるお子さんが増えてきているのではないかと思います。

知的に遅れがなく、むしろ得意分野では高いIQを持っていたりする発達障害の子たちは、長男のように見過ごされ、小学生になっても気づかれないケースも多いように感じます。

来年度から中学生になる長男。

早期に発見して適切な療育を受けられていたら・・・と後悔しない日はありません。

仕方がない事だったとは言え、早期療育によって改善された部分は多々あったように思います。

どうかもっと発達障害への理解が広まり、辛い思いをしている親子が少しでも減り、それぞれが自分らしく生きられる世の中になることを願ってやみません。”

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