
トイレに行ったときふと「死にたい」とふっと思ったのです。
22歳の頃から神経性胃炎にはよくなっており、最初はその胃炎から始まりました。
いつもはその胃炎で医者に行き酷い時でも軽い胃潰瘍等でおさまっていたので今回もそれでおさまるだろうと考えていましたが、胃痛は薬でおさまってもなぜか調子は悪かったのです。
今までめまいや耳鳴り等の症状の経験はなかったので、何が起こっているのかわからずたまにやってくるこれは何だろうと思っていました。
私の場合は朝起きて、日常の習慣としてトイレに行ったり、歯みがきしたり何気なくいつもの行動で、トイレに行ったとき「死にたい」とふっと思ったのです。
今まで死にたいと思ったことは初めてではありませんでしたが、何も他に考えておらずトイレに行って死にたいっておかしいと自分で気づいたのです。
その時にまだ自分で気づいたことにも、まだ自分で気づいたから大丈夫と感じていました。
その後今みたいに心療内科等の病院が見つからず、主治医に進められて大きい病院の脳神経内科・外科で診察を受けました。
医者に説明するのも言葉にならず
「冷蔵庫の後ろでウィーンってなっている音がずっと耳の後ろでなってるんです。」
「それは耳鳴りだね」
「ちょっとフラッとして横になっても天井が回っている感じがして、眼をつぶってもまわっている感じがするんです」
「それはめまいって言うんだよ」
そんな感じで一つ一つ説明していき、まずは三半規管の検査をして、頭のMRIを取りましたが異常はありませんでした。
そして、診断されたのがうつ病でした。
自律神経失調症の延長にあるような自律神経のバランスを崩したのが原因でした。
私の場合はまだ症状が軽い時に気づいて医者に行ったので、薬でどうにかなると言われました。
治療方法としては、まず事件に関係した会社を辞めること。
仕事より自分の体の方が大事だと半年かけて仕事を辞めました。
めまい、耳鳴り、吐き気等の体の症状は抗鬱剤で毎日飲んでいました。
それから3年位は薬を飲み続けながら、引きこもりの時期があったと思います。
人と接触するのが一番嫌でした。
しかし、私の様子をうかがいながら一人にしないよう周りの友達がたまに様子を伺いに遊びにきたり、食事に出かけたりと気遣ってくれていました。
これは後から気付いたことで当時は何とも思っていませんでした。
その後、めまいや耳鳴りが少なくなってきた頃だと思います。
薬を毎日ではなく、めまいや耳鳴りの症状が出た時だけ飲むように量を少しづつ減らしていくことを勧められました。
しかし、最初は飲んでいないと不安で不安で症状が出なくても飲んでいました。
それから段々と仕事もするようになりましたが、薬は必ず飲んでいました。
そのうち、めまいや耳鳴りが起きなくなっていたし、周りの人の気持ちにも気付き始めて薬を少しづつ減らし、最後には飲まなくてもいられましたが、持ち歩いてはいました。
持っていないと不安でたまりませんでした。
そんな状態が2,3年あったと思います。
いつの間にか薬を忘れて出かけた時に無いと気付いても大丈夫だったのです。
忘れるってこと自体がもう大丈夫な証拠だったのかもしれません。
うつ病は必ず原因になった事実があります。
そこから逃げ出せず苦しい思いが自分を壊していくと考えます。
私はうつ病を体験して思うことは、自分を壊してしまうような耐えられない辛さからは逃げても良いと感じました。
逃げることで自分を守れるなら、逃げるべきだと。
そして、周りの友達や家族にも感謝しています。
長い時間、諦めずに見守っていてくれた人がいることは回復する力になると思います。
今でもたまに耳鳴りやめまいに合うことはありますが、自分が回りに感謝している自分を見ることで「死にたい」と思うところまではいきません。
今はそんな人たちに感謝の気持ちを伝え、自分が自分らしくあることが一番の恩返しだと思っています。